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マレビト

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マレビト チラシ表 マレビト チラシ裏

舞台概要

鬼って何だ?鬼女って誰だ?
これか?それか?あれか?―私か?
鬼女の子どもは鬼なのか?
鬼女の子どもは人なのか?
人になるのか?なれるのか?
悲しい宿命を背負いながらも
自らの未来を切り開く男の物語―

キャスト

劇団員 青木 賢治 / 坂本 真由美 / 青木 由里
準劇団員 村松 沙理亜 / 古畑 美貴 / 宮本 真里
特別出演 松本 恭子(劇団くるま座) / 窪田 裕子(劇団くるま座) / 村上 雅人(演劇グループ21) / 佐藤 健一(空想≠カニバル)

生演奏

バイオリン 牧 美花 (劇団員)
パーカッション 波田野 岳彦

スタッフ

脚本・演出 青木 由里
テーマ曲作曲 森 雄太
音響・照明 株式会社 長野舞台
衣装 北村 幸子 / 坂西 佑香
大道具 塚田 健太郎 / 酒井 孝司
舞台美術 佐藤 真也
小道具・広報 NPO法人 劇空間夢幻工房
制作 青木 賢治

協力

北野文芸座事務局

後援

長野県 / 長野県教育委員会 / 長野市 / 長野市教育委員会 / 小布施町 / 小布施町教育委員会 / 一般財団法人長野市文化芸術振興財団 / 信濃毎日新聞社 / 毎日新聞長野支局 / 朝日新聞長野総局 / 読売新聞長野支局 / 週刊長野新聞社 / 長野市民新聞社 / SBC信越放送 / NBS長野放送 / TSBテレビ信州 / abn長野朝日放送 / INC長野ケーブルテレビ / 須高ケーブルテレビ / FM長野 / FMぜんこうじ

舞台背景

鬼って何だ?鬼女って誰だ?
これか?それか?あれか?―私か?
鬼女の子どもは鬼なのか?
鬼女の子どもは人なのか?
人になるのか?なれるのか?
悲しい宿命を背負いながらも
自らの未来を切り開く男の物語―

~背景~
時は、祈祷と呪術による神の加護が信じられている時代。
中央政権は、呪力がある庶民(シャーマン)を恐れ、王権を脅かす『鬼』『鬼女』と呼んだ。折しも天変地夭・飢饉疫癘が相次ぎ疫病が蔓延。民は疲弊し、都には暗雲が立ち込めていた。天子と側近らは、怨霊悪鬼の仕業として、鬼探しと鬼退治に全力を注ぐ。

~ストーリー~
北の山寺で修行している童子・朱天(ステン)は、修行と鍛錬の日々を送っている。母・紅葉は、王の源経基(みなもとのつねもと)に見初められ妾になったものの、呪術遣いの鬼という疑いをかけられ都から信濃へ流罪になる。ステンが12歳の時、鬼退治と称する兵に襲われたが、盗賊・お万におぶわれ逃走。その後、母やお万、仲間たちは行方知れず。母と別れ際に交わした約束は「名を言えば、鬼が追って来る。貝におなり」。母からもらった「間レの箱」は何故か開けられない。ステンは幼少期に遭遇した火事の影響で“火”が大の苦手。修行仲間のバラキは、同じ童子のイブキや里の民を巻き込んで、ステンのために…と何やら企てている様子。山寺の国上(クガミ)和尚はこれを知り、かつて鬼退治で名を上げた余五将軍・平維茂を招く。
 バラキの企てとは?
 ステンが名を言えない理由とは?
 和尚が維茂を招いた理由とは?
そして迎えた秋祭りの日、それぞれの思惑と異なることが次々と起こり―

鬼と呼ばれた人々、鬼退治をした人々…鬼の背景には、現代に通じる諸問題が見え隠れします。
それらの問題を、親子愛を中心に炙り出そうと創作したのが「マレビト」です。

身体・声・音楽・衣装・舞台美術―
どれをとっても見どころ満載!
笑いと感動の夢幻パラレルワールド!
ご来場いただいた皆様の心に響く舞台を創り上げてまいります。

~タイトル「マレビト」とは?
国文学者・民俗学者の折口信夫により構築された学問や思想を「折口学」と言う。「マレビト」は折口学の用語で、時を定めて他界から来訪する霊的もしくは神の本質的存在と定義する。この作品上では「異人」と書いてマレビトと読むこととする。

【参考文献】
『鬼女紅葉伝説の里』 / 編集 金子万平 / 鬼女を偲ぶ会
『鬼無里への誘い―蘇る鬼 女紅葉―』 / 宮澤和穂 / ほおずき書籍
『戸隠の鬼たち』 / 国分義司 / 信濃毎日新聞社
『鬼 荒倉山「紅葉狩」戸隠山「青葉の笛」』 / 鬼女を偲ぶ会 / 大昌寺 / 株式会社和広
『鬼女紅葉~鬼女とよばれし女人の物語~』 / 北島文子 / 有限会社小池印刷
『小説 紅葉』 / 榊屋清衛門 / ほおずき書房
『鬼女誕生』 / 大原富枝 / 中央公論社
『紅葉 そなたは〈鬼女〉であれ〈貴女〉であれ』 / 落合宏 / 信濃毎日新聞社
『慈母としての鬼女 ―母の民話―』 / 水谷章三 / 松谷みよ子 / 株式会社童心社
『異人論 民族社会の心性』 / 小松和彦 / 青土社
『鬼の研究』 / 馬場あき子 / 三一書房
『境界の発生』 / 赤坂憲雄 / 砂子屋書房
『犯しと異人 むかし噺の基層』 / 廣田勝美 / 人文書院
『錦秋の落陽(鬼女紅葉伝説)』 [Kindle版] / はしいろ☆まんぢう / 宝虫プロダクション
他 インターネットより多数

【引用詩】
山のあなた <カール・ブッセ(上田敏訳)>
山のあなたの空遠く
幸い住むとひとのいう
ああ、われひとと尋(と)めゆきて
涙さしぐみかえり来(き)ぬ
山のあなたになおとおく
幸い住むとひとのいう
(中野好夫「文学の常識」角川文庫)

[語意]
山のあなた 山の彼方 山の向こう側
「幸」住むと 幸福な場所 理想郷がある
尋めゆきて 探しに行って
涙さしぐみ 涙ぐんで

[詩意]
山のずっと彼方に「幸せの理想郷」があるというので尋ねて行ったが、どうしても見つからず涙ぐんで帰ってきた。あの山の、なお 彼方には「幸せの理想郷」があると、世間の人々は語り伝えるのだ。

[出典] 訳詩集「海潮音(かいちょうおん)」
明治38年10月刊行。イタリア、イギリス、ドイツ、フランス等の詩人29人(フランス詩人14人)の作品57編を訳したもの。

[作者略伝]
○カール・ブッセ(1872─1916)
ドイツ新ロマン派の詩人。詩集に「詩集」がある。上田敏のこの一編の訳詩により母国ドイツよりも日本で有名な詩人となった。
○上田 敏(1874─1916)
東京生まれの英文学者、詩人。柳村は号。京都帝国大学教授。漢文の才に富み、西欧文学(特にフランスの詩)の訳詩に寄与。「海潮音」「みをつくし」「牧羊神(ぼくようしん)」「詩聖 ダンテ」などがある。「山のあなた」は新体詩に対して象徴詩と呼ばれている。
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